日本の建築デザインは高い評価を得ているそうですね。
しかし、海外から帰ってきて、JRやリムジンバスから日本の都市を眺めていると、出てくるのはため息ばかりです。なんでこんなに汚いんだろう、、、。いや、清潔ではありますけど、雑然としすぎているんですね。
個人的に、日本の現在の建築物はデザインが粗雑だと思います。どこの建物も同じ、安いプレハブに見えます。
そう、”安っぽいデザイン”、これが日本の現在の建築物の特徴であると思います。
その安いデザインをもたらしている理由の1つは、アルミサッシです。壁に四角く穴を開けてアルミサッシをはめ込んだら、窓でも扉でも一丁上がり。なんて安易な。
窓とか扉とか開口部というのは、人間の顔でいうと目や口のようなもので、表情を作り出す部分です。そこが粗雑すぎる。女性はアイラインや口紅で細工をするでしょう?開口部には縁取りや飾りというものが必要だと思います。存在感のある建築物の開口部はかならずさまざまな隈取りや装飾が施されています。欧米の建物の扉や窓の周りには何重にも縁取りがなされていますね。日本の建物でも、簡素ではあるがきちんと縁取りがなされています。現代の建物はこの手間をめんどくさいからか省いているのです。
いや、無用な装飾は不要である、陳腐である、フォルム自体の美しさこそが重要である、などという意見が多いのだと思うのですが、、、それは、女性をすっぴんで外に出すのと同じです。すっぴんででられるくらいの美貌があるなら別ですが、そんな美貌をデザインできているつもりでいるとしたら思い上がりもいいところだと思います。普通のひと、普通の建物にはやはり装飾は必要です。それは表情というものです。女性の化粧と同じです。
この、装飾不要論、あるいは、なんでもツライチにしたがる症候群が、日本の現在の建築物のデザインが安い2つ目の理由だと思います。ツライチ、四角の幾何学的デザイン。なんでもこれにしたがる。シンプルな北欧デザインなんてものをありがたがる。そして、コンクリート打ちっぱなしにしたがる。
コンクリート打ちっぱなしは10年たつとしみだらけになってとても汚くみっともなくなりますよ。戦前からある古い橋の欄干などによくある、大きな砂利交じりのコンクリートは古びてもいい味だしてますが。最近のツライチのコンクリートは、いや、ツライチに仕上げるのはとても技術のいることだそうですが、でも10年たったらただの汚い壁ですよ。
この、古びてより存在感を増し美しくなることをまったく考えないこと、50年や100年後により良くなるようなデザインにしないこと、これが、日本の現在の建築物のデザインが安い3つ目の理由だと思います。
まわりの風景との調和を全く考えないことが4つ目の理由です。
電柱、電線、看板、棒杭が多いことが5つ目の理由です。
京都のような都市でさえ、景観を守れないのですから(京都駅を見れば、現在においても景観を守る気がまったくないのはよくわかります)、もはや絶望的ですね。
やはり、大半の日本人には、美意識はないのではないですか。どこの国でもそうですが。京都の現状を見れば、ことさらマスコミなどが日本の美意識などというのは噴飯物です。
建築にはお金がかかりますし、なかなか思うようにいかない現実はわかります。でも、せめて屋根の形状、屋根の色、壁の色を条例で統一することくらいできるんじゃないですか?特に京都では。
そして、窓、扉など開口部にめんどくさがらずにきちんと縁取りをつけること。これやるだけでもかなり違うと思います。
日本の建築デザインの特徴は格子組みにあるように思います。また、古びた赤レンガ造りも明治以来の歴史があるので、日本の風景に十分溶け込んでいると思います。こういったものをコスト安くうまくデザインにとりこんでくれる建築家はいないのでしょうか。最近の東京の超高層ビルは少しこういう傾向にあるように思いますが。
大阪の造幣局の造幣博物館、帝国ホテルの隣のOAPタワー(旧三菱の精錬工場)は、昔の煉瓦造りを真似たデザインにしていますが、いやがんばっているとは思うのですがこれまた安いデザインですね。せっかくあった古いレンガをなぜそのまま使用しないのか。横浜の赤煉瓦倉庫はいい味だしてます。これは、古い本物を使っているからです。赤煉瓦もどきの赤タイルではあの質感は出ません。この赤タイルを使ってしまうところにデザイナーのセンスのなさを感じます。いや、コストとか強度とかいろいろ問題あることはわかっていますが。古典的デザイン、モチーフを適当に省略してしまうことが安さを生んでいます。なぜこの安さに気が付かないか。
ともかく、これ以上、コンクリート打ちっぱなし、ツライチ、アルミサッシ、開口部の隈取りなし、古びと周囲との調和を考えない、10年たったらぶっ壊すつもりでデザインされた、安いデザインの建築物を、増やさないでもらいたいと思います。コスト、産業の要請にデザイナーが負けて、安いデザインになっているのだと思います。そこをもうひとつ工夫できないのか、デザイナーとしては!!
日本政府が観光客を増やしたいと本気で考えているなら、こういうこともきちんとしてはいかがか。もう遅いか。
こういう、すぐ飽きる、すぐ汚くなる、安いデザインの建築物の方が、建築業界にはいいんでしょうけどね。建て替え需要を考えると。
東京や大阪はブレードランナー的、オタク的、クールジャパン的、アニメ的な風景でもいいですが、京都とか金沢とか那覇とかは、やはり古典的デザインで統一してほしいですね。
ともかく、日本の建築デザインは安っぽすぎる!!


by turusenba
日本の建築デザインは”安いデ…